旅のStyle:田舎

フランスはパリだけじゃない

というよりも

郊外の地方にこそ真髄がある

本当のフランスを知るなら

断然田舎に限る

「フランスの最も美しい村」という

認定を受けている約160ヶ所の村は

田舎めぐりのスポットとして

選んで間違いはない


南仏で有名なゴルドもそのひとつ

ここは私が初めてのフランス旅で訪れた場所

視界に入った一瞬、息が止まり

涙がただ溢れてくるほどの衝撃だった

濃厚なプロヴァンスブルーの空に浮かぶ

圧倒的な存在感は別世界のようで

長い歴史の陰でひっそり繋いできた

人々の息づかいが重々しく迫ってくる


自分の目で捕えて初めて

見えてくるフランスがそこにあった


村めぐり

認定の村は

厳しい規定をクリアしているため

世界に誇るフランスを代表する

観光地といっていい

見事なまでに素晴らしい景観と

そこに裏付けされた深い歴史

それを守る人々の想いが詰まっている


当然、その他にも村は無数に存在する

村々によって異なる顔を持ち

むしろその違いが楽しくもあり

次の村への期待を掻き立てる

中でも、へんぴな土地の村は息を飲む

広大な大地にぽっかり浮かぶ集落

険しい断崖絶壁を削った岩の中の家

狭い山あいの小さな面積にひしめく村

急な坂道を登った山頂

人間はどんな場所でも暮らせる

そんな生命力の強さをひしひし感じる


家づくりもその土地ならでは

小さな海岸のカラフルな家

考え抜かれた木組みの家

レンガを使った赤茶色の町並み

石造りの重厚な家々

その土地にあるモノを最大限生かす

人間の持つ知恵は無限だと気付かされる


田舎に行くと目に留まる光景が

今にも倒れそうな曲がった家

剥げた窓枠や扉

朽ちた屋根や壁

その根底にあるのは

新しいモノに変えることより

いかに長く使えるかに重きを置いた価値観

モノに溢れて忘れてしまったことを

思い出させてくれる


咲き乱れる花のイキイキさ

自由で人懐こい犬や猫たち

路地裏を超えた細い抜け道

村外れのクレープ屋

店はのんびり開く

大きなカゴを持つ人の行先はマルシェ

多くの村が教会を中心に人々が暮らし

教会の周りがマルシェになる

活気のあるおしゃべり
時にカフェのテラスでコーヒーを飲み
それぞれの家々に帰っていく

建物や町並みを通して見えるモノは

絵になる景観の美しさだけではなく

そこで生きてきた人々の足跡と

それを受け継いだ人々の暮らし

カチャカチャとした台所の音

窓からこぼれる話し声

犬の散歩にすれ違い
猫が屋根の上を横切る
村の大事なパン屋さんの匂い
庭のテラスに開いたパラソル
煙突からでる湯気
朝を知らせる鳥のさえずり

暮らしの音と匂いを感じると

本当のフランスが見えてくる


田舎に行く

1.電車やバスで行く

一番手っ取り早く、気楽に自由に回れる方法。最寄り駅やバス停から歩いて行ける距離にある場所を目指す。有名どころや世界遺産に登録されているところは交通機関が整っている場合がある。チケットをネットで購入することも可能。


2.タクシーで行く

何も交通手段がない村へは、最寄り駅からタクシーで行く。自力で呼べない場合は、タクシーが待機しているような駅を選ぶ。


3.ツアー会社を利用する

地方ごとに、人気の村へ1日観光や半日観光と題して実施されている。日本から申し込みもできる。日本人ガイドや現地のフランス人ガイド、日本語ができるフランス人ガイドとあり、食事付きだったり、自由行動だったり。時間拘束があるけど気軽に行ける楽さがある。


4.個人ツアーを依頼する

地方ごとに、まだ知られていないような村を自家用車で案内してもらう。オリジナルツアーや車だけのチャーター便などを手配する会社を探す方法もある。その土地の暮らしに密着した案内をしてくれるのが、現地在住の個人運営の日本人ガイド、若しくは日本語ができるフランス人ガイド。時間の融通や行く場所の希望など、アドバイスを盛り込みながら細かい相談にも応じてくれる。


Photo:バスク・トゥールーズ・コルドシュルシエル・ミネルヴォア・ゴルド

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